ネットデイで学校革命!
スマートスクールがつくる次世代地域社会の基盤
クリントン政権の肝いりで、全米に広がったケーブル工事のイベントとしての「NetDay」は、「National
NetDay」と呼ばれ、全米に拡大した。そして、発祥の地・シリコンバレーでは、さらに一段階進んだプランとして「SmartSchools」という取り組みが展開されることとなる。
「NetDay」が単に教育環境の充実を唱えた活動であったのに対して、「SmartSchools」はそれに加えて、「将来を支える人材を育てるために、地域の企業と学校を連携させ、質の高い教育を提供し、健全なコミュニティを創る」という、教育改革から社会の変革を目指したものだった。「SmartSchools」には、「NetDay」と「PCDay」という、根幹を支える二つのプログラムがある。
「PCDay」は、「NetDay」に必要とされる設備や構築された環境を活用するために必要となるパソコンを企業のドネーション(寄付)で賄ったり、ネットワークの設備、維持管理に必要なノウハウをトレーニングを実施して共有化したり、協働で教育アプリケーションを開発したりするプログラムで、具体的な地域貢献のみならず、ボランティアや地元企業が、学校現場や地域の教育行政と密接な関係を作り出すきっかけになっている。シリコンバレーでは、この二つのプログラムが見事に地域社会になじんで、最初の一八ヶ月の間に、地域の九四%にあたる四二五校、一万五〇〇教室がインターネットに接続できるようになった。
「SmartSchools」の「NetDay」では、学校の全教室からインターネットに接続できる環境づくりをきっかけとして、地域の住民や企業の、地元校の(情報)学習支援を通じた教育参加を実現しようとしている。すると、規模の小さな学校でも、全教室にネットワークケーブルを敷設するために、相当数のボランティアが必要となる。「SmartSchools」では、当日工事自体を支えるために、配線工事とは関係ない作業で別グループがネットデイを盛り上げる姿が各所でみられる。「NetDay」での作業は、学校にネットワークを普及させることによって、コミュニティの質を向上させようとする目標を達成する過程の一つという位置づけを明確にしている。
「National NetDay」では、まず設備を学校に普及させることが目的として掲げられており、コミュニティとの関連性は明確に示されてはいない。ボランティアもネットワーク技術を持つものが中心になり、比較的小人数で実施されている。このため、一度に数多くの学校で実施が可能ではあるが、学校の情報教育を支援する地域連携の構築には至っていない。
[BACK] [HOME] [NEXT]
|